ナポリ近郊の古代遺跡「ポンペイ」
1997年に世界遺産に文化遺産として登録。
この都市は、紀元前~1世紀にかけて繁栄した都市であるが、79年のヴェスヴィオ山が噴火し、時速100㎞の火砕流によって、一瞬にして埋もれてしまった都市。
今も、発掘作業が続いているのですが、見た目的にきれいに整備されていて、一瞬にして埋もれて、そのまま時が止まってしまったかのような遺跡です。
この都市は、1世紀頃の古代ギリシャの植民都市として発展したローマの商業都市だそうで、「火山灰によって失われた悲劇の都市」のイメージを持っていた私は、その人間性や生活感あふれる状況がそのまま見れるポンペイに、行く前とは全く違った印象を持ちました。なんというか、人間臭い部分も残っていて、居酒屋の遺跡にはお皿やつぼ、鍋等もおいてあって、本当に一瞬にしてそのまま埋もれてしまったんだな、、、ということがわかります。
ポンペイ遺跡で驚くことの一つが、「ポンペイ・レッド」と呼ばれる、朱色の壁画が見事にそのまま残されていることです。悲劇の一つでもあった火山灰がこの壁画には、プラスに働いたようで、火山灰に含まれている成分が、今も乾燥剤として使われている「シリカゲル」に似たもので、遺跡そのものや壁画の劣化を防げたようです。
街の中には水道設備がしっかりあったり、お店の看板や家の表札?、壁にかかった鍋や器、居酒屋、ちょっと大人なワールドも垣間見れて、なんというか、本当にちょっと昔のワールドという感じ。約1900年以上も前の遺跡とは本当に信じられないです。
面白いのは、古代ローマの人々の様子を知ることができるのですが、当時の人々はローマ神話よりも、ギリシャ神話を好んでいたのか、それともギリシャの植民都市だったからか、壁画や彫刻のものはギリシア神話のものがほとんど。
ただ、ポンペイの守護神であったのは、日本で「ヴィーナス」と呼ばれている、現地では「ウェヌス」と呼ばれている、ローマ神話の愛と美の女神だそうで、そのローマ時代とギリシャの影響も垣間見ることができます。
行き方もナポリから地下鉄で30~40分程で、駅も複数ありますが、一番有名な駅は、ポンペイ・ヴィッラ・デイ・ミステリ駅。こちらから降りると、3~5分程でポンペイの入り口があり、ちょっとしたお店や展示場所等もあって、先にポンペイの状況等を知ることができます。
ただ、私は、このミステリ駅は少々混む、ということを聞いていたので、短時間で見なければならないこともあり、人が比較的少ない、トレニタリア・ポンペイ駅を使って(本当にほぼ人はいなかった)約10分程あるいて、ポンペイの円形闘技場の近くの入り口から入り、ミステリ駅から帰る方法にしました。通常の観光コースとは逆を行く形になります。
おすすめは、早めの入場です。9時前に入ると、人も少なくゆっくりと見学できます。また、中には太陽を遮るようなものはほぼありませんので、暑くなる前にある程度の場所を見てしまうことをおすすめします。
【ポンペイ遺跡】
住所: Via Plinio, 4, Pompei
電話: (+39)081-857-5111
休日: 1月1日、5月1日、12月25日
営業時間: 4月1日~10月31日(8:30~19:30:入場は18:00まで)
11月1日~3月31日(8:30~17:00:入場は15:30まで)
入場料: 15ユーロ