ピサから電車に乗り、花の都「フィレンツェ」へ。
ここからは、歴史をどんどん遡る旅となります!ルネッサンス時代が大好きな人には、たまらない街ですね。ミケランジェロに、ダ・ビンチ、ラファエロ、ダンテ…、いやいやすごい街ですわ。。。もう見どころ満載です!
加えてこのフィレンツェは、ダン・ブラウンの「インフェルノ」の映画が撮影された場所。ラングドン教授が誰かに命を狙われ、病院に入院しているところからはじまり、ダン・ブラウンおなじみの歴史うんちくが満載です。ぜひ、フィレンツェへ行かれる前に観られると、歴史の裏まで知ることができ、より街を楽しめるでしょう。
1.フィレンツェ観光の中心は、やはりドゥーモ(大聖堂)から
ここは駅からも遠くないので、徒歩で十分に行けます。細い道を抜けると、そこには大建築物!その大きさ、荘厳さ、豪勢さ、と、美しさ。172年の月日をかけて建てられたことに納得せざるを得ません。正面は大理石と彫刻、裏側には大クーポラがよく見えます。このクーポラも階段で上ることができます(463段!)。フィレンツェの街を一望できるので、体力に自信のある方は、ぜひ上ってみてくださいね。
その脇には、ダンテが「神曲」の中でその芸術性の高さを評価した、「ジョットの鐘楼」が立っています。414段の階段だそうで、私はこれまた、早々と諦めましたが、テラスに上ることができます。重みのある鐘楼です。
ちなみに、この大聖堂の前で多くの長蛇の列を見かけますが、それぞれ、内部に入る人、クーポラに上る人(要予約)、鐘楼に上る人(こちらは414段の階段!)などなど別になっていますので、何の列かをしっかり確認してから、並んでくださいね。
2.ドォーモのお向かいにある「サン・ジョバンニ洗礼堂」
この洗礼堂は、あの「神曲」を書いたダンテも洗礼を受けたといわれる、八角形の建築物。内部の空気はなんとなく重く、神聖な場所であることを感じます。現在の建物は、1059年に現在の大きさで献上され、典型的なロマネスク様式で建てられたものです。
● なぜ故「八角形」?
これは、キリスト教と深い関係があります。
旧約聖書の創世記で、神様は6日間かけて世界をつくり、1日の休息をとった。
現在の1週間の元ですね。それで8というのは、その1週間が終わり、新たな
週・日が始まることを意味するのだそうです。キリスト教の復活と新たなる人生
の始まりを意味するのだそうです。
内部は、天井部が「最後の審判」や「創世記」が描かれ、最後の審判で裁かれた「地獄」も表現されていて、少々恐ろし気でもありますが、それ以上にその豪華さと荘厳さ、何はともあれ、圧倒されます。
そして、この洗礼堂といえば「3つの扉」が有名です。特に有名なのは、東の扉、あのミケランジェロが「天国の扉」と名づけた金色に輝いた扉です。…とはいえ、実は洗礼堂の扉は精巧につくられたレプリカ。オリジナルの扉は、大切に近くのドゥーモ付属美術館に展示してあります。この美術館にもぜひ足を運んでください!2016年に改修を終えたばかりで、こちらもまた一級美術品のオリジナルのオンパレードです!
この洗礼堂の中にいると、中世の人々の宗教観や人生観に想いを馳せ、自分の人生も振り返ることになるでしょう。
3.ドゥーモ付属美術館
ドゥーモや洗礼堂に飾られていた美術品の数々を収蔵してある美術館です。難点を一つあげれば、この美術館の入り口がわかりにくくて、ドゥーモを何周したことか、、、。あちこちの警備員さん等に、聞くと「すぐそこだよ」と何度も教えてくれるのですが、「そのすぐそこ」がわからんで、何周もしてるんじゃい!と心の中で叫びつつ、どうにか小さな入り口をみつけ、やっとの思いでたどり着きました。。。(やれやれ…)友人はとうの昔に諦め疲れて、近くのカフェでお茶しておりました。
しかし、その中に入った途端、その疲れは吹き飛びました!展示の方法も斬新で、広い部屋をには大型の美術品がドドーンと!
そして、ありました。「天国の扉」のオリジナルが…。・・・神々しい。
この他にも、「北側の扉」もあったり、黄金に輝いていて、洗礼堂のレプリカにも感動しましたが、いやはやオリジナルには、オリジナルのパワーがあります!パワーが!
その他にも、「マグダラのマリア」や「ピエタ」「預言者ハバクク」、数々の教会の装飾品等、ため息が出続けてしまいます。ミケランジェロが制作した4体の「ピエタ」の一つが、このフィレンツェの「ピエタ」。他には、バチカンにある「サンピエトロのピエタ」、「バレストリーナのピエタ」、そして「ロンダニーニのピエタ」の3体。この内、完成形は「サンピエトロのピエタ」のみと言われています。この「フィレンツェのピエタ」は未完成と言われています。・・・というのも、ミケランジェロ自身が壊したこともあるようで、一部は弟子等によって修復もされたようですが、最終的にはそのまま未完成のまま残された、とのことです。
ちなみに、右側が、聖母マリア、左側がマグダラのマリア、後ろから支えているのが、ニコデモと呼ばれる、イエスに共鳴していた人物だそうです。
4.シニョリーア広場、ヴェッキオ宮、ウッフィツイ美術館とヴェッキオ橋
ドゥーモと洗礼堂の間の道、カルツアイウオーリ通りをまっすぐに進むと、シニョリーア広場にでます。そこは昔も今も変わらないフィレンツェの行政の中心地。目に入ってくるのは「ヴェッキオ宮」。ゴシック建築作りの、フィレンツェ共和国政庁舎。町の紋章でもある獅子像が玄関に飾られています。行政舎内部は、元会議室や執務室がありますが、ミケランジェロにヴァザーリ等などの絵画がふんだんに飾ってあり、こんなに豪華な役所なのね、、、と思わず呟きたくなります。
また、ヴェッキオ宮の目の前には、野外美術館という感じのランツイのロッジアがあり、こちらもルネッサンス彫刻が並びに並んでいいます。それだけでも、迫力です。
そして、長蛇の列を並んででも外せないのがウッフィツイ美術館。ここフィレンツェを語るにして、メティチ家は外せないのですが、そのメディチ家の事務所だったようで、メディチ家の財力をもって集められたルネッサンス時代の一級美術品のすべてがここにある、と言われています。この美術館を見るには、じっくりには1週間以上!?、頑張れば半日。それでも、お目当てを探して集中して、2~3時間でどうにか完了。・・・とはいえ、お目当てが多すぎて、それだけでもこの広い美術館を見るには時間(と体力)が足りません!気合を入れて、見学してみてくださいね。(そもそも長蛇の列から始まりますので)
美術館を見た後には、少々ふらふらになりながら、川の方へ向かうと「ヴェッキオ橋」を見ることができます。この橋は、アルノ川にかかるフィレンツェ最古の橋です。フィレンツェのシンボル的な橋でもありますね。
5.ここも外せない!「サン・マルコ美術館」と「アカデミア美術館」
「サン・マルコ美術館」は、朝一番に廻ると非常に空いていて、ゆっくりと見学することができます。フレスコ画が中心で、明るい館内は穏やかな気持ちにさせてくれます。ここで外せないのが、フラ・アンジェリコによる「受胎告知」。2階への階段を上がったところにあります。これも教科書でよくみましたね。2階は、修道院の瞑想部屋等を見学することができます。
「アカデミア美術館」ここは、あの有名なミケランジェによる「ダビデ像」があります。また、「パレストリーナのピエタ像」もこちらで見ることができます。この美術館はまさに、ミケランジェロ・ワールド。
「ダビデ像」に通じる部屋に入った途端、奥に佇むダビデに目を奪われます。その手前の部屋にも「奴隷」像があったりするのですが、やはり「ダビデ像」の存在感はすごいです!ここでも、「あ~、教科書にでてた!覚えてる~!」と叫びたくなりますが、ぐっとこらえて、ダビデの足元へ。
で、でかい!!! それも筋肉隆々!
人間の力強さと美しさを兼ねたこの「ダビデ像」にしばし言葉を失いました。大理石でできていて、その大きさ、なんと、5.17m!上を見上げてみるダビデ像の力強さは、古今東西人々の心を離しません!ぜひ、アカデミア美術館にも足をお運びください!